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信託の始まり


信頼して財産を託すのが信託です。

 

起源は、中世ヨーロッパにあると言われています。

 

戦地に駆り出される兵士は、家族のため信頼できる友人などに自らの財産を託しました。

 

財産を託す人を「委託者」、財産を託される人を「受託者」、財産及びそれから発生する利益を受け取る人を「受益者」と言います。

 

兵士が戦地にいる間や、亡くなった場合でも、残された家族が生きていけるように受託者に管理運用を託したのです。

 

託された友人は、自分の名前で財産を管理運用し、収益を兵士の家族に渡すのです。

 

そして、兵士が無事帰ったときには、財産を元の所有者である兵士に戻すことができます。



現代の信託


【商事信託】

信託と言って思い浮かぶのは、商事信託でしょう。

ある程度まとまった財産を持つ人が、信託銀行などに財産を預けて運用して利益を上げる。

 

信託銀行に手数料を支払って運用を任せ、利益が手数料より多い場合は、利益を手にすることができます。

 

これを利用するには、まとまった金額が必要(あの村〇ファンドでは、最低出資金が10億円だったとか)であり、資産家のためのシステムと言えるでしょう。



【民事信託(家族信託)】

上記の商事信託ではない信託です。

 

信頼関係を基本として家族などに財産を託し、託された者はその人の希望に沿って財産を管理,運用,処分します。

 

業として行うものではない為、多くの場合はこれを無償で行います。(負担が大きい場合は、報酬を支払うことも可能)

 

平成29年に信託法が改正となり、このような信託が可能となりました。



信託の特徴(メリット)


上の表に示すように、これまでの制度には対応できる期間がそれぞれあり、また、家庭裁判所が関与する場合、運用や処分に大きな制約があります。

旧民法の時代には、60歳になれば自分の意思で隠居するということが認められていました。隠居となれば、財産管理も必要なくなりますので、特別な認知症対策等必要なかったのです。

 

しかし、現在は隠居制度がありませんので、死亡するまで所有権を持ち続けることで様々なトラブルが発生するようになったのです。

 

信託長崎が推奨する民事信託(家族信託)では、信託の組成を意思能力が確実なうちにすれば、元気なうちから二次三次相続の財産承継まですべての期間の財産管理が可能になるのです。


民事信託の基本


《クリック➤拡大図》

【主要な登場人物】

 

´委託者(元所有者)-財産を預ける

´受託者-財産の管理処分を任される
´受益者-信託目的に応じて利益を受ける

信託期間中は、所有権が無くなり

名義と権利に分かれる。



主要な登場人物は「委託者」「受託者」「受益者」の3人です。

 

しかし、ほとんどの場合委託者が最初の受益者となるため、上図のように当初の主要登場人物は2人となります。委託者は、自分の財産の管理等を受託者に託し、その利益を享受することになります。不動産の登記簿上は所有者「受託者」に変更しますが、信託財産である旨の記載が入り、権利者に変更がないため贈与税は課税されません。


【信託の始まりと終わり】

家族信託は契約なので、必ず始まりと終わりがあります。

 

一般的には契約書で「終了事由」を定めます。

 

信託が終了すると、受益者は所有者になります。

 


【その他の登場人物】

 

家族信託は自由に設計できますので、状況によりいろいろな役割の人が登場します。

 

例)

・受益者代理人-受益者を代理して権限を有する。

 

・受益者指定権者-受益者を指定,変更する。

 

・信託監督人-受益者の業務を監督する。  

 

信託による財産管理にトラブルが生じないよう、専門家や親族が役割を担います。


民事信託の効果


【名義を集約できる】

多数委託者の財産を受託者単独の名義にできる。(一括管理)

 

信託では、一人の受託者が複数の委託者の財産を受託することができます。

 

例えば、すでにすく数人の共有となり運用が困難になった不動産を、単独で受託者名義にして一括管理することができます。

 

この場合、委託者が認知症になったり死亡して受益権が次順位の受益者に移動しても、受託者は不動産の管理を継続することが可能になります。

 

 


【意志の凍結】

信託契約をすれば、委託者の意思が尊重され続ける。

 

通常の委任契約は、委任者の死亡により終了します。

 

民事信託(家族信託)の場合は、受益者が死亡した後の次順位の受益者を指定することで当事者が欠けることのないようにできるのです。この効力を利用することで、先祖代々の資産を直系血族で承継し続けることを実現できるのです。

 


【条件付き贈与】

信託の本質は、委託者社から最終受益者に対する贈与です。最終受益者に至るまでの期間において、いろいろな条件(使い方や利益の分配)を契約で指定しているのです。

 

「委託者から最終受益者への贈与」という考え方を取れば、その間を取り持つ受託者は誰であってもかまわない為、委託者本人が受託者となる自己信託も可能となります。


【物件の債権化】

信託契約がスタートすると、「所有権」は消滅し「名義」と「受益権」になります。

受益権は可分債権になりますので、贈与や売買も可能です。契約で譲渡禁止条項を付けることもできます。

 

対して、所有権は物件の中でも最強の物件であり、所有権に制限を付けることはできません。この所有権が共有状態になると非常に厄介になるのですが、遺産分割協議の合意ができない場合は共同所有となり、処分ができなくなります。

このような所謂「塩漬けの土地」が国土全体の二割を超える状況が現在あるのです。

 

信託を活用すれば、塩漬け不動産問題の解決も図れるでしょう。


【財産分解】

1人の財産を分別管理できる機能です。

委託者は、財産を信託することもできますし、所有のままにすることもできます。また、財産により、委託者や受益者を別に指定することもできます。

 

これにより、財産管理を自由に設計することが可能になります。

以上のような効果を組み合わせることで、様々な財産管理が可能になります。

民事信託は、オーダーメードの財産管理方法と言えるでしょう