民事信託(家族信託)誰に頼むか


 

 相続のことが心配になり、情報を集めた結果”家族信託”を利用しようとしました。

 

 さて、依頼をしたいあなたは、インターネットで取り扱いしている事務所を探します。ここで、大きな疑問が発生します。

 

 家族信託は、どういう資格の人に頼むべきなのか、いろんな専門家が絡む信託ですのでいろんなところに頼むのでしょうか?


【専門家の役割分担】

民事信託(家族信託)契約を締結し、運用するに当たっては様々な専門家が関係します。

 

・契約書作成-行政書士、司法書士

・不動産信託登記-司法書士

・不動産価格の評価-不動産鑑定士

・土地の分筆、合筆-土地家屋調査士

・信託調書、計算書作成-税理士

 ・・・・等

 

民事信託(家族信託)の内容に合わせて、それぞれを専門家に依頼するというのは非常に困難です。

 

つまり、信託をプロデュースしてくれる自事務所に依頼し、その事務所に必要な専門家を手配してもらうということになります。

 

その際、それぞれの専門家は、個別に本人確認や意思確認を行う義務があります。

個々の専門家への依頼は、本人から直接依頼する形となります。

 

【信託のプロデュース】

民事信託(家族信託)には、上記のように様々な専門家やさらには金融機関、不動産業者等多数の関係者が登場します。

 

これを、組成する信託のために連絡を取り、説明して協力を依頼することこそがプロデュースということになります。

 

実際の進め方としては

 

①お客様の状況を聴き「家族信託」を組成する意思を確認

 

②家族信託のストーリーを作成

 

③信託に登場する親族(法律に詳しくない方々)に、制度や運用方法、効果などを説明し理解を得る。

 

④金融機関に信託口口座開設の協力を取付ける。

 

⑤その他関係機関(不動産業者、税理士等の専門家等)に説明と協力の依頼。

 

⑥信託契約書を、公正証書とする又は公証役場で宣誓認証。

 

⑦信託による各種手続き(口座開設、不動産登記、各種引落しの変更・・・)

 

⑧信託開始後の相談受付

 

基本的な部分では、このような役割となります。雑用的なことが多いです。

 

つまり、信託のプロデュースには特別な資格は必要ありません。個々の作業に、資格が必要になるものがあるということです。例えば、弊所は行政書士とFPですので、プロデュースに加え契約書作成や税金関係のアドバイスを実施し、不動産登記などは提携する司法書士を紹介するということになります。

 

【民事信託(家族信託)依頼先の選び方】

信託の依頼とは、信託のプロデュースを依頼するということです。

 

家族信託は、残念ながら一般に認知されていません。それは、法律を扱う専門家や金融機関や不動産の業界でも同様です。

 

この為、家族信託への協力を依頼する際には、家族信託が”どういうものであるのか””どのような法的効果があるのか”などの説明からする必要があります。これが結構大変な作業なのです。

 

余談ですが、法律に係わっているが家族信託を知らない方には「信託財産には所有権が存在しない」ということが理解しにくいようです。

 

結論-「家族信託に力を入れている事務所に依頼する」

民事信託(家族信託)は、新しい制度であり革新的な制度です。取り扱うためには相当量の勉強が必要です。さらに、描いたストーリーや契約書に不備があった場合、それが表面化するのは登場人物(受益者や受託者など)の交代や、信託終了のときです。作業が終了し、費用の支払いも終わって相当の期間が経ってからトラブルが発生してしまいます。

 

せっかく、円滑な資産承継のために作った信託の機能不全が、必要な時に威力を発揮できないことになります。

 

家族信託を始めると、そこから長い付き合いとなりますので、まずは信頼できる専門家を探してください。