子供たちに祝福される熟年再婚のために


こんにちは、信託コンサルタンタントの宿輪です。

 

民事信託(家族信託)は、制度ができてから10年以上経ちますが、実際に使われ出したのは最近の事で、身近で実例を見た方は少ないと思います。

 

この「信託情報」では、皆様の信託に対する疑問をランダムに取り上げ解説しています。


【本日の話題】

 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の単身世帯は、平成元年11.2%から平成28年には18.6%へと増えています。

 

 一人暮らしの寂しさから異性を求めるのは自然なことですが、実際に高齢者の結婚は増加しています。

 

 高齢者の場合、相続問題が発生するため、若い人の結婚とは違う困難があります。


【子どもたちの心配】

 1人暮らしの親が、パートナーを見つけ結婚することは、十分大人となった子からしてできれば祝福したいところです。事故や認知症の事を考えると、結婚して2人で暮らしてもらう方が安心でもあります。

 

 しかし、結婚して籍を入れると配偶者として相続人になります。父親が死亡すると、短い婚姻期間しかない後妻が、財産を相続することになるのです。このことがネックになり、親族から結婚を反対されてしまうのです。

 

 事実婚として、遺言によりある程度の財産を妻に遺贈するという方法もありますが、当事者の気持ちとしては正式な夫婦となりたい気持ちは強いのではないでしょうか。

 

【信託で受益権を血族に戻す】

 父親の財産を家族信託で受益権として運用し、父親の死後、後妻の生存中は信託財産で生活を保障し、後妻の死亡により受益権を血族に戻すことができます。

 

 信託期間中は、受託者(子など)が財産を管理をしますので、後妻により財産を浪費されることもありません。また、父親が認知症などで意思能力が亡くなった際も、凍結されることなく受託者が管理処分できます。そして残余財産は、信託契約に定めたとおりに分配されます。

 

 財産目当てで結婚した場合、財産のほとんどを妻に相続させる旨の公正証書遺言を作成し、相続財産を手に入れます。財産目当ての後妻業の女であれば、このような信託を提案すれば拒否するでしょう。

 

 財産目当てではなく、老後の幸せのために結婚を考える女性であれば、信託は受け入れやすいはずです。家族信託が、リトマス試験紙となります。

 

 


こちらも御覧ください。

なぜ信託を勧めるのか。

スライドで説明します。

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