受託者になれる人

家族信託の受託者は、信託の関係人の中で中心的役割を果たす人物です。

 

受託者は、信任義務という厳格な義務と責任をもって信託事務を実行する役割を持ちます。



家族信託を組成するに当たっては、受託者を誰にするかが問題になります。

 

受託者には、どういう人がなれるのでしょうか?

 

【受託者不適格者】

受託者には、自然人だけじゃなく法人もなれます。

 

信託法で不適格者とされているのは、

・未成年者

・成年被後見人・被保佐人

です。(信託法第七条)いわゆる、制限行為能力者はNGということです。

 

受託者の役割は、信託財産の管理や処分をするので、単独で財産の管理者分を出来ない制限行為能力者は慣れないことになります。

 

また、受託者を監督する役割である「信託管理人」「信託監督人」「受益者代理人」も受託者を兼ねることはできません。

 

旧法では、破産者も受託者になれませんでしたが、改正信託法では破産者は不適格者から除外されました。

 

【法人を受託者とする場合】

例えば、信託期間が長期にわたる場合や、事業資産を信託財産とする場合など法人(会社)を受託者としたり、受託者法人を新たに設立することができます。自然人の場合には、受託者が認知症などになった場合に受託者を変更する必要がありますが、法人の場合役員が変更されてもそのまま受託者としての事務を継続できます。

 

法人の場合は、信託目的だけでなく「定款」にも従わなければなりません。ですから既存の会社が受託者になる場合には定款変更(信託業務を追加)をする必要があります。

 

委託者が、事業をしている場合などには、個人より法人を受託者にした方が信託を有効に継続できる場合が多いです。

 

【信託を組成してくれた専門家】

信託を組成してくれた行政書士や弁護士などの専門家に受託者を頼むことはできるのでしょうか?

 

信託を組成するにあたって状況なども知っているし、専門知識もある専門家になってもらえば安心と思う方もいるでしょう。しかし、これには問題があります・・・

 

専門家が受託者として財産管理をするとなると、仕事として受けることになりますので報酬が発生します。信託において、業として受託者をするためには、信託業としての許可を受けなければなりません。(信託銀行や信託会社など)

 

信託業の許可を受けていない行政書士や弁護士が報酬を受けて受託者となるのは、信託業法違反になるのです。家族信託の受託者は業として事務をすることは許されません。

 

専門家が、旧知の知人や親類である場合に、その信託のみの受託者になることは業とは言えないので、受託者になれるという見方もありますが、この辺りはまだあやふやな部分です。

 

それでも、信託の専門家のサポートを受けたいのであれば、信託監督人として参加してもらうのがかと思います。信託監督人は、受託者を監督し信託事務が問題なくできるように受託者をサポートします。