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信託契約なのか信託宣言なのか?


こんにちは、信託コンサルタンタントの宿輪です。

 

民事信託(家族信託)は、制度ができてから10年以上経ちますが、実際に使われ出したのは最近の事で、身近で実例を見た方は少ないと思います。

 

この「信託情報」では、皆様の信託に対する疑問をランダムに取り上げ解説しています。


【本日の話題】

家族信託(民事信託)では、既に共有名義になっている不動産を信託財産として、受託者に管理を託す場合があります。

 

管理が一元化され、処分のタイミングを逃すようなことが防止できますし、共有者の一人が認知症になったとしても、何の支障もでなくなります。



【共有者が受託者】

A・B・C 3人の共有地を信託するときに、Dを受託者とする場合には信託契約です。

 

では受託者を共有者の一人Aとする場合の取扱いはどうなるでしょうか。

Aの持ち分に関しては、信託宣言(自己信託)となるのではないか?という問題です。

 

この件に関しては、これまで判断が分かれていました。

 

信託契約書を作成して、信託登記を申請したときに、Aの持ち分に対する信託宣言を要求されることもあったのです。対応が法務局によって違ったのです。

 

【H30.12.18 民事局民事第二課長通知】

今回、これに関する取り扱いが課長通知により統一されました。

 

『この場合の信託は、受託者以外の者が有する財産の管理又は処分等がその内容に含まれているため「自己信託」には該当せず「信託契約」による。』

 

委託者A・B・C

受託者A

の信託契約により、信託登記がされることが、明確になったということです。


こちらもご覧ください。

なぜ信託を勧めるのか。

スライドで説明します。

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